Fielder vol.45 はじめてのタープ泊 ー目次ー

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もっと身軽で自由な過ごし方を求めて

はじめてのタープ泊

想像力=創造力で地球の覇権を握った人間だから、自ら生み出した完全無欠の装備で野生を支配するのも一手。環境そのものを変えて自然淘汰から逃れるやり方が、悪かと言えばそうでもない(正義でもない、言わば好みの問題だ)。身近なところではテント泊がそうだ。外界を手軽に遮断できる箱の存在は、安全快適を求めて環境そのものを変える手段。人々が自然の豊かさを平等に享受するため(※1)の脱・淘汰装備なのだ。ただ、キャンプにも慣れて”アウトドアマン“を自負するほどになると、野生界の”ふるい“にあえて挑みたくなるのが本能である。環境の変化に対応して、その場を切り抜けることができるか。つまりは自分の実力が如何程のものか……を試してみたくなるのだ。というわけで、その第一歩に相応しいのがタープ泊(※2)。外界との壁を取っ払い、環境のプレッシャーを肌身で感じながら生活する。いつものキャンプにマンネリを感じたなら、今こそ生の自然と対話するべきである。

※1 それが高所登山なら純粋に生き残るための脱・淘汰装備だ
※2 この先にあるのが所謂「現地調達系サバイバルキャンプ」である

写真/荒井裕介

※この記事は2019年4月発売『Fielder vol.45』に掲載されたものです。