【vol.40】アメリカナマズをいただきま〜す

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今回のテーマ:アメリカナマズをいただきます

ようやく梅雨入りしたが、今年は、梅雨に入る前に結構な雨が降った。梅雨になると行事的にナマズ(日本産)釣りをするのだが、今年は梅雨入り宣言が発表される前にナマズ釣りを始めた。釣果はまずまずいい結果だった。そこで今回紹介するのは、ナマズだ。ナマズはナマズでも、養殖池から逃げ出して増えたと噂されるアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)である。名前の通りアメリカから来たナマズで、霞ヶ浦や利根川などいろんな地域で増えている種だ。養殖場から逃げ出したことだけではなく、飼えなくなって捨てられたりしたこともその要因だと言われている。飼育する側にも責任があるが、販売する側にも責任があると思う。様々な生き物が入って来ている今、何が見つかっても驚かなくなっているが、マナーはしっかり守ってもらいたいものだ。生き物には罪はない、悪いのは我々人間なのだから。

アメリカナマズは日本のナマズと違い、日中でもよく釣れる。だだし、生息する川を知らないと、いつまで待っても釣れない。釣り方はリール仕掛けに、重りをつけて投げ込んで釣る“ぶっ込み釣り”だ。ひたすらあたりを待つ釣り方になる。このアメリカナマズは、練り餌やうどん、ミミズにルアーなどほぼなんでも食いつく。今回は、アメリカ産にはアメリカ産で挑もうと、アメリカザリガニを餌にした。まずは田んぼの水路で、アメリカザリガニ採り。あまり立派なザリガニではなく、これから赤くなるぐらいの中型を選ぶ。ザリガニの尻尾の先の方に針をかけ、殺さずまた動くように針につける。

今回釣りをした場所は、栃木県にある渡良瀬湧水地。ここでは友人が、1mのアメリカナマズを釣り上げている。密かにそれを上回るものを狙っているのだが……。釣りを始めて30分いろんなところを探りながら投げ込んでいたら、あたりが来た。いつもそうなのだが、ナマズ釣りは掛かった瞬間、頭の中でビッグサイズを連想する。重さですぐにわかるのだが、最初の1匹はなんとも可愛い40㎝くらいのサイズだ。1人で食べるにはちょうどいいサイズ特定外来種は釣ったら基本的に逃がさず、殺すか持ち帰る。持ち帰る場合でも生かしては持ち帰れない。

いいポイントに当たったようだ。ザリガニ1匹に対しアメリカナマズも1匹釣れた。しかし、図ったようにほぼ同じサイズが上がる。このままだとクーラーボックスがナマズだらけになって処分に困るので、5匹で釣りを終えた。密かに狙った1m超えは次回にお預けとなった。

持ち帰ったナマズは鮮度のあるうちにさばく。日本のナマズもそうなのだがヒレに注意する。背ビレと胸ビレ、それにエラの横に硬い尖ったトゲのようなものがあり、暴れた時などに刺さることがある。ナマズをおろす時は、基本的に背開きで行う。内臓部が小さく背中から開いたほうがきれいにさばけるからだ。ナマズは皮と肉の間の脂が美味しいので、皮を引かないでさばくが、今回は匂いを抑えるため川を引いた。一口サイズにし、唐揚げ粉をまぶし、180度の油で揚げて完成だ。天ぷらなどでも美味しく食べることができる。味はというと、淡水魚だな~という味。少し泥臭さを感じる程度だ。サクサクで美味しく食べられた。塩こしょうで食べたのだが、タルタルソースなどの方が合うかもしれない。肉に厚みがあるので、1匹でもかなりの量になる。ぜひ挑戦してもらいたい。

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アメリカからやって来た外来魚アメリカナマズ。釣り応え食べ応え最高! 写真は以前釣った76cm。

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ラフな格好でOK! リール竿に2号以上の釣り糸。流れのあるようなところでは重めのオモリ。口が大きいので、大きめの針。ルアーでも釣れる。いる所がわかれば意外と簡単に釣れる。

エサを採る

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エサのザリガニを田んぼ脇の水路でガサガサ。ドジョウやエビなども採れるのでみんな餌用にキープする。

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アメリカザリガニはあまり大きなものだと食いつきが悪く餌にならない。赤くなる前の親指くらいのサイズがベスト。

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ザリガニの尻尾のところに釣り針を刺す。ここに針を刺すとザリガニのダメージが少なく水中で動き、いいアピールをする。

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最初にかかった手頃なサイズのアメリカナマズ。ひげは8本。日本のナマズは4本だが、ギバチやギギはひげが8本と同じだ。スタイルも日本のナマズよりはギギやギバチに近い。なんでも食べてくるイメージ。フナやコイ釣りの練り餌でもよく釣れる。

料理

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ナマズの種類はヒレに硬いトゲがついていて、暴れるときに刺さることがある。背ビレと胸ビレ、それにエラのところにある隠れたトゲに要注意だ。

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1.アメリカナマズをおろしていく。まずは、エラのところにある隠れたトゲの脇から背骨を残し腹側に包丁を入れる。

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2.胴体と口を持ち、包丁を入れたところで、首を折る。背骨が折れたら包丁を入れ頭を取り除く。

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3.トゲがいつまでも邪魔をするので、背びれは根元から取り除く。内臓もすべて取り除く。

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4.背骨の始まりの部分がとても硬いので背びれに沿って背骨と切り離す。料理バサミで背骨の左右を切れ目を入れるように切る。

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5.背開きにするように3枚おろしにする。背骨に包丁の先が当たるように身と背骨を切り離す。

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6.背骨の部分は使わずに捨てる。血合いが残っていたらきれいに血の部分を洗い流す。身は意外と分厚く食べる部分が多い。

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7.魚で言うあばらの部分を削ぐように取り除く。薄く取ろうとせずに大胆にとっても身は残る。

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8.皮を引く場合は皮と身の間に軽く包丁を入れたら、皮の部分を指先でしっかり抑え、包丁で身を削ぐように皮を引っ張っていく。

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9.皮を引いた身を一口大にぶつ切りにする。ビニール袋に入れた唐揚げ粉の中に身を投入し混ぜ込む。

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10.180度の油で裏表丁寧にひっくり返しながらきつね色になるまで揚げる。

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11.油をきり、お皿に盛れば完成。塩だけでもいいが、香草の粉末を振りかけて塩コショウで食べても美味しい。身がしっかりした、弾力が少しある白身の魚。若干、川臭さ?泥?なのか川魚と言った感じの味がした。不味くはない。

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日本野生生物研究所 奥山英治

主にテレビ番組やアウトドア雑誌や本などを中心に、自然遊びや生き物の監修などで活躍中。「触らないと何もわからない」をモットーに子供向けの自然観察会も行っている。著書に『虫と遊ぶ12か月』(デコ刊)などがある。