【vol.42】釣った魚を干物にしてみた

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夏のような日差しがなくなり、冷たい風が山から入り込んでくる季節になった。もうすっかり秋である。今回は、冷たい風が吹き始めたら旬の「魚のひらき」。防波堤に繰り出して釣れた魚で、ひらき作りを行った。

友達から「アジが釣れてるぞ!」って情報があったもんだから、釣り好きとして逃せないと思い、その情報から2日後、早朝から港へ向かった。船着場や防波堤に釣り人がちらほら。こういう時は、地元のおじいさんやおばあさんが居ればビンゴ。釣れている証拠だ。我々のような車でやってくる人は、来た以上釣らずには帰らないので、竿は一応出していることが多い。どう見てもみんな車で来ている。案の定釣れていないようだ。釣りって面白いことに、昨日バカ釣れしても今日バカ釣れするとは限らない。そういうことが多くあるので、だいたい信用していないが、期待はして釣りをする。

今回の釣りはサビキ釣り。釣り糸の一番下に重りがついていて、その上に数本の擬似バリが並んでついている最も簡単な仕掛けだ。アミという細かなエビのような餌を海にまくと、回遊している魚がそのアミを食べに一目散に突っ込んできて食べる。そのアミにまぎれるように仕掛けを落とす釣りだ。サビキ釣りにはいろいろあるが、私はいつもこのスタイルだ。

防波堤に車を停め、釣り人が並んだ隙間に陣取って仕掛けをセット。周りを見回すと、いろいろなスタイルの仕掛けで釣りをしている。釣れている人は目立たず、今は何も回遊していないようだ。

解凍されたアミを目の前でまいてみると、ざわーっと手のひらくらいの黒い魚が集まり、まいたアミをあっという間に食べ尽くし、サッ!と散っていった。アジではないが、何かがたくさんいるようだ。早速仕掛けを落とすと、すぐに掛かった。小さいけどメジナだ。幼魚の間は、防波堤や浅い磯などで群れて行動している。他の魚が来るまでメジナ釣りで遊んだが、飽きてしまい、散歩に出た。

隣に小さな砂浜を確認。港にある釣り餌屋さんでゴカイを買い、砂浜でキスでも釣ろうとサビキをはずし、てんびん仕掛けにした。この仕掛けは、重りの下に針が2~4個ついていて、針に餌をつけて投げ込んで待つ釣り方だ。

投げ込んで待つ間、ビーチコーミングをして戻ってくると砂に差していた竿が倒れていてガタガタ動いていた。慌てて上げてみるとなんと予想外! クロダイだ。釣りはこんなことがたま~にあるから面白い。

クロダイの後は全くあたりがないので、キスは諦めて防波堤に戻ると、隣のおじさんが忙しく釣りをしている。どうやら回遊して来たらしい。エサを巻き、仕掛けを落とすとたちまち魚が掛かった。あれ? マイワシだ。アジじゃない。しかもマサバも混ざっている。面白~い! エサを巻くとドバーっとスピードのある魚が群れで現れて、あっという間にエサを平らげ去っていく。エサをまく・仕掛けを下ろす・魚が掛かる。このタイミングで20~30分楽しんだ。

バケツにはマイワシ・メジナ・マサバ・ボラ・なぜかサッパが所狭しと泳いでいる。夢中で釣ったので何匹釣れたかはわからないが、アジが来るのを待ちながら捌き、ひらきにして干した。その後しつこくエサをまくがアジの姿は見られず、本命無しのサビキ釣りとなり終了。

装備

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手頃なサイズのリール竿。ラインも2号前後とあまり太くないものでOK! サビキ仕掛けは小さければ小さいほどいい。私の場合はまきエサのアミに合わせている。砂地で使うのは針が2つのてんびん仕掛けだ。

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スプーン一杯くらいのコマセをまきエサに魚が集まって来たら、仕掛けをエサのところへそっと落とす。まきエサはあまりまかない。

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投げ釣りは、虫エサ、ゴカイやイソメなどをハリに付け遠くへ投げてアタリを待つ。キスやコチなどが釣れることで知られる釣りだ。地域や場所でかかる魚は多少違う。

防波堤で釣れた魚

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ボラ

小さなボラをイナと呼ぶ。珍品カラスミはこのボラの卵巣から作る。

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マイワシ

イワシは小さくても大きくても重宝され、いろいろな料理がある。

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サッパ

平べったい魚で、名の通りさっぱりとした味。別名ママカリという。

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メジナ

磯釣りではグレと呼ばれ、大会があるくらい磯釣りでは有名。

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マサバ

秋が旬で脂が乗っていて、小さくても美味しい。料理の種類も豊富。

作り方

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1.包丁の背でウロコを綺麗に全て落とす。

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2.おなか側から内臓を取るようにして、背骨に沿って開きにする。

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3.血合いを丁寧に落とす。この時ブラシなどを使うとより落としやすい。

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4.血合いを丁寧に落とした魚のひらきはこんな感じ。

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5.タオルペーパーをかけ軽く叩くように魚の水分を綺麗に取り除く。

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6.綺麗な場所から海水を汲み、水気を取ったひらきを30分漬け込む。


釣りをしている間にボックスネットに入れ、3時間以上天日で干す。ネットに入れずに干してもいいが、猫に持っていかれたり、ハエが卵を産んだりするので要注意。3時間も干せば完成!後は炙って美味しくいただくだけだ。

完成品

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ボラ

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マイワシ

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サッパ

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クロダイ

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メジナ

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マサバ

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日本野生生物研究所 奥山英治

主にテレビ番組やアウトドア雑誌や本などを中心に、自然遊びや生き物の監修などで活躍中。「触らないと何もわからない」をモットーに子供向けの自然観察会も行っている。著書に『虫と遊ぶ12か月』(デコ刊)などがある。