サバイバル登山家・服部文祥は南アルプス南部に何を見るか 原始再生

34 01

獲物を追い求めて山の奥、深くへ

できるだけ自分の力で山を旅する。自力で作り出せない装備は極力減らし、食料も可能な限り現地調達を目指す。山岳地帯に求めるのは地理的な障害ではなく、原始のままの豊かな環境である。

文/服部文祥 写真/亀田正人

プチ・サバイバル始動
2016年7月上旬

 背中のザックに最低限の生活用具を入れて、獲物を追う。その日の寝る場所を決めたら、焚き火を熾して朝を待つ。山頂という目標が加われば移動に必然性が生まれ、メリハリがつく。

 そんな山旅ができそうなエリア(山塊)やライン(渓)を、暇さえあれば地図の中に探してきた。長短難易の幅も考えて、「いい場所探し」と「山旅」を20年近く繰り返してきたのに、行ってみたい場所や、もう一度訪れてみたいラインはまだたくさんある。

 だから、季節と日程、単独なのか仲間と行くのか、アクセスの方法、主な目的が山釣りなのか山旅なのか、それらの要素が決まれば3、4の候補地はすぐに浮かぶ。一般的な社会人としては、まったく無駄な能力である。

 だが、ありがたいことに最近、その無駄な能力が生かされることがある。サバイバル登山に行きたいという仲間ができたのだ。フィールダー編集カワサキとフィールド撮影カメダである。真夏に長期サバイバルに行くことになり、そのための事前合宿を行なうことにした。3、4泊のプチ・サバイバルである。