この島国に人間はどうやってきたのか イカダ再考

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我々の遠い祖先は一体この島国へどう渡ってきたのか。これを実際に検証するため、現在ある試みが進行中である。台湾〜琉球列島を手作りの船で航海する「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」。我々アウトドアマンにとっても関わりが深い“船”という移動テクニックが、太古の技術でどこまで実用となるのだろうか!?

写真提供:国立科学博物館「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」

日本人のルーツを探る冒険
復元古代船で辿る祖先の渡航路

 遺伝子上、日本人は単一の地域から発生した人種ではない。この地に旧人、原人の遺跡が発掘されていない以上、いくつかのルートからホモ・サピエンスが日本へ渡ってきたと考えるのが普通である。「日本人はどこから来たのか?」の項にも記したが、遺跡が出土する年代から台湾~琉球列島ラインからも人類の大移動があったとされる。ただ、このルートは当時氷期にあった地球においても航海距離は変わらず、何かしらの航海術がなければ実現しえないのだ。

 そこで国立科学博物館の人類学者・海部氏を代表に、シーカヤック航海者の内田氏や探検家の関野氏ら、研究者+探検家が集まってこのルートを実際に検証する試みがスタートした。この試みでは、できる限り当時の人類と同じ条件で台湾~琉球列島ラインを航海するため、船の材料からそれを作る道具まで、当時の環境を想定した現地調達で行われた。丸太船や竹筏など、様々なタイプの船が検討されたが、結果として最適と判断されたのが草舟だった。