食べられる公園植物を探せ

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未曾有の事態に備え避難場所〝公園〞を探検

草花の力を侮るなかれ! 都会のど真ん中にある公園でも我々の栄養源はしっかり育っているのだ。ここでは雑草に造詣が深いカメ五郎とともに東京都心の公園の地面を這ってみる!

※生命の危機が迫っている場合を除き、公園での植物採取は禁止です。

サバイバル愛好家 カメ五郎


本誌でもお馴染みのサバイバル愛好家・カメ五郎。都会にはほとんど現れない人種だが、一度“食べられる物センサー”にスイッチが入れば、公園内を這って探し回る生粋のサバイバーだ。

食べられる植物は都会の真ん中にもある

 大きな公園というのは地域の避難場所に指定されている場合が多い。未曾有の事態があれば近隣住民はここへ集まって苦境に耐えるわけだが、こんな時こそ公園内で食べられる植物を探せたら安心だ。ライフラインに頼った生き方は、命を都市システムに丸投げしているようなもの。ライフラインが破綻しても生きられるのが、ホモ・サピエンスとしての正しい姿だろう。

 というわけで、日々山籠りに耽るカメ五郎をなんとか連れ出してやってきたのが東京都心の某公園。管理・整備の行き届いた公園の植生は一見多様性が低く、数を集めるのは困難かと思われたが、カメ五郎が得意とする外道も食べる植物に含めてしまえば、意外にも多くの栄養源が公園に眠っていることがわかったのだ。身近な場所でも地面を這ってみれば、たくさんの発見が待っているのである。

時に毒という危険もはらむ公園の植生を知る

あくまで今回は食べることを推奨するのではなく、知識として備えておくための“這いキング”だ。公園内にはホトケノザやムラサキケマンなどの毒草も生えているので、実践するなら他人の言葉を鵜呑みにするのではなく、自分で幾度も調べ直してからにしたい。責任はすべて自分にあるのだ。

今回発見した食べられる公園植物

ナノハナ

春に鮮やかな黄色い花を咲かせる一年草。種は菜種油の原料になっている。栽培品種と野生品種があり、葉っぱが縮れているのが栽培品種。どちらも食用可能だ。

オニタビラコ

春の七草で知られるホトケノザ(コオニタビラコ)の仲間。葉はタンポポに似ているが、タンポポよりも茎が長く大きくなるので見分けやすい。コオニタビラコより苦味がある。

セイヨウタンポポ

外来種。在来種のカントウタンポポとの見分けが難しいが、花が咲くと分かりやすく、ガクが反り返っているものがセイヨウタンポポだ。サラダや和え物などにして食べられる。

ショカツサイ

中国では食用として栽培され、種から菜種油が取れる。日本では野生で群生していることが多い。紫色の花が美しく見ごたえ抜群だ。アクが少ないのでそのままで食べられる。

タネツケバナ

1年中採取可能。乾燥や高地など環境を問わず生育できるので、標高1000mで見られることも。こんなに強くて採取しやすいのに、なぜ春の七草に入らなかったのか疑問。

ナズナ

春の七草の1つ。ペンペン草とも言われる。田畑や道端など見られる越年草だ。非常に強い植物でどんな荒地にも生える。若芽が食用となり、クセがなく食べやすい。

ハルジオン

白や薄ピンクの花を咲かせる。貧乏草ともいわれる。非常に香りが良く、歯切れも良い美味しい野草。つぼみを天ぷらにするのがオススメ。カメ五郎曰く高級な味がするのだとか。

ハルノノゲシ

葉っぱはてテカりがあってトゲトゲしい形。春に小さい花を咲かせる。秋に花を咲かせるアキノノゲシもあり、これも同様に食用となる。少々苦味があるが、若い葉や茎を食べる。

シャク

花が咲いても茎や葉が柔らかく、アクがないのでそのまま食べられる。香りが強く香草にも使える。標高の高いところに生える毒草・ドクニンジンと葉が似ているので注意。

ヤブラン

球根が食用となるが、アクが強く、1株から小指の爪程度のサイズ5〜6個ぐらいしか採れない。1年を通して採取できる。カメ五郎は山の中で食料に困った時にお世話になった。

ハコベ

春の七草の1つで、アクが少なく、食べやすい。かつては鳥の餌として栽培されていた。近縁種にウシハコベがあり、その名通り葉が大きく食用として栽培されていた。

シロツメクサ

日当たりの良い草地に群生する多年草。もともとは家畜の飼料として利用されていたが、食用として三つ葉の代わりに使われていたこともある。若葉や茎、花が食用になる。

オオバコ

丈夫な植物で、硬いグラウンドでも生育ができるほど強い。他の植物が生育しにくい環境を好む。大きくなった葉は硬く消化不良を起こしてしまうため、黄緑色の新芽のみ食べる。

ノビル

道路脇や野原、河原の土手に群生していることが多い。球根はラッキョウのような味がして酒の肴にぴったり。細長く伸びる葉はネギのような風味。刻んでワケギのように使える。

フキ

茎の部分を食べる。春先はフキノトウを出すことを優先するため、葉が弱々しくなる。夏になると、みずみずしくて美味しくなるので、夏に採取するのがおすすめだ。

ツワブキ

フキに比べて葉が非常に硬く、アクも強い。耐陰性、塩害に強い植物で、他の植物が侵食できない浜辺などに群生することが多い。産毛がついて白っぽく見える新芽を食べる。

マテバシイ

他種のどんぐりは非常にアクが強く、食べるには手間がかかるわりにおいしくないが、マテバシイのどんぐりはアクが少なくて実も大きいので炒っておいしく食べることができる。

スダジイ

実は小さいがアクがなく甘みが強く非常に美味。亜熱帯気候で穀物が育ちにくい環境の沖縄では、昔はスダジイの実を採取し、餅や粥などにして食べていたと言われている。