【vol.66】FLAME RESISTANT GEAR/BONFIRE KETTLE/HEAVY OUTER

焚火の前でゆっくりリラックスするための大人装備

現代人の生活に欠かせないデジタル機器は規則性の塊だ。C++だろうとコボルだろうとアセンブラだろうと、人間が悩んで捻り出したプログラムは「0」と「1」の無機質な機械語(電気信号)に訳され、それが水晶振動子により寸分違わぬリズムで各所へ伝達されて機能する。だから、例えば今あらゆる場所で耳にするDTM楽曲(打ち込み系)のリズムも当然超正確で、生演奏に聴く人間味はない。コンピュータで人間味を出すために使われるシンコペーション(一時的に逸脱したリズム進行)だって、完璧な計算とタイミングで鳴らされているのだ。

裏を返せば、人間味とは規則的であろうとする中でも生じてしまう“ゆらぎ”と言えるかもしれない。完璧な正確さを求めるデジタル社会の中では、心臓の動悸にさえ人間味を感じてしまう(そんな世の中が動悸を引き起こすのだけど……)。

さて、ずいぶん長い前置きとなったが、いま現代人に足りていない“ゆらぎ”の代表格が焚火である。これはよく耳にする“1/fゆらぎ”というやつで、炎のゆらめきや薪が爆ぜる音が人間の自律神経を整えるのだという。たまの休日には日ごろの単調なリズムから離れて、ゆっくり焚火を楽しみたい。

※商品情報は本誌発売当時(2022年10月)のものです

[SUBU] SUBU NANNEN

[スブ・ナンネン]

難燃性のCORDURA305Dを表地に使用し、焚火やBBQといったキャンプシーンに最適なサンダル。ダウンのような暖かさで包み込み、秋冬のアウトドアにも対応。日常使いもできるシンプルデザインが◎。6380円(税込) 問イデアポート☎︎0120-901-049

付属のスタッフサックも同様に難燃素材を採用。焚火まわりの小物収納袋としても活用できる。ストラップは調整式で肩掛けも可能だ。

内側の生地は暖かい履き心地の起毛加工が施される。クッションインソールは4種構造で、足全体のフィット感を高める。

[mont-bell] FUEGO SAMUE

[モンベル・フエゴサムエ]

日本古来の作業着である作務衣をモンベル独自の難燃性素材フレアテクトで作った1着。コットンのような自然な着心地がありながら、火の粉を受けても穴が空きにくく、野外での調理や焚火等にも最適。1万780円(税込) 問モンベル・カスタマー・サービス☎︎06-6536-5740

前身頃は紐で結んで留めるシンプルな仕様で脱ぎ着しやすい。ポケットは合わせの内側にあり、中身が落ちにくい構造だ。

作業時に邪魔になりがちな袖は、袖口の紐を絞ることでバタつきを抑えることができる。調理時や緻密な作業の際に役立つ。

[asobito] TAKIBI GUNMAKU

[アソビト・焚き火軍幕]

焚火の近くでの使用を想定し、表地に難燃素材のtakibi hampを採用した軍幕。連結しての使用も可能となっており、1枚で張るとタープ、買い足して2枚使えばティピー型、4枚でパップ型テントとして使用できる。1万8700円(税込) 問ビッグウイング☎︎06-6167-3005

着脱が容易な回転式のタックボタンとボタンホールを配置することで、複数の幕を使用し、さまざまな形状で張ることが可能。

裏面のハンギングループは様々なギアを吊り下げられる。複数使いの展開性や使いやすさを考慮した180×180cmにサイズを設定。